日本で会社を管理する

日本で会社を設立する

経営・管理(4か月)ビザ・スタートアップビザ

海外法人の支社・支店ではなく、外国人が個人で出資して日本で新たにビジネスを始める場合

外国人が、海外法人の日本支店ではなく、ご自身が個人で出資して日本法人(株式会社・合同会社など)を新たに設立し、日本で事業を始める場合、通常は在留資格「経営・管理」の取得を検討することになります。
また、一定の自治体・認定団体の支援を受けながら起業準備を進める場合は、「スタートアップビザ(外国人起業活動促進事業に基づく特定活動)」の利用も可能です。
ただし、2025年10月16日施行の制度改正により、経営・管理の新規許可基準は大幅に厳格化されています。したがって、2026年時点では、単に「会社を作れば取れる」という制度ではなく、事業実体・資金規模・雇用・日本語能力・経歴・事業計画の具体性まで見られる制度になっています。 [1][2]


1. 日本での会社設立について

外国人が日本で新しく事業を始める場合、主な選択肢は次の3つです。

① 経営・管理(4か月)ビザ

在留資格「経営・管理」には、5年・3年・1年・6か月・4か月・3か月の在留期間があります。
このうち4か月は、海外在住者が日本での起業準備のために入国し、来日後に住民登録、銀行口座準備、事務所契約、会社設立手続等を進める際に使われることが多い在留期間です。 [1]

もっとも、2026年現在は、4か月であっても「経営・管理」の新規許可基準が前提になるため、以前よりかなりハードルは高くなっています。
そのため、実際には、入国前の段階でかなり具体的な準備が必要です。

② スタートアップビザ

スタートアップビザは、経済産業大臣の認定を受けた自治体・民間事業者の管理支援のもとで起業準備活動を行う制度です。
東京都、神奈川県、福岡市、横浜市、大阪市など、認定団体で利用できます。 [3][4]

なお、古い案内では「6か月」と説明されることがありますが、2026年時点では最長2年間、起業準備活動が可能です。 [3][4]

③ すでに他の在留資格で日本に在住している方

すでに別の在留資格で日本に滞在している方は、その在留期間内に会社を設立すること自体は可能な場合があります。
ただし、会社設立後に代表者として継続的に経営活動を行うには、在留資格「経営・管理」への変更が必要になることが多いため、現在の在留資格の内容を個別に確認する必要があります。


2. 日本で会社を設立する基本的な流れ

外国人が日本で株式会社または合同会社を設立する場合、一般的な流れは次のとおりです。

(1)会社形態を決める

主に選ばれるのは次の2種類です。

  • 株式会社
    • 信用面で有利
    • 出資者と経営者を分けやすい
    • 定款認証が必要
  • 合同会社
    • 設立費用を抑えやすい
    • 定款認証が不要
    • 小規模スタートや単独創業と相性がよい

(2)商号・本店・目的・資本金・役員・事業年度を決める

設立前に、少なくとも次の事項を固めます。

  • 商号(会社名)
  • 本店所在地
  • 事業目的
  • 資本金
  • 出資者
  • 役員構成
  • 事業年度

同一商号・同一本店の会社は登記できないため、事前確認が必要です。 [5][6]

(3)事務所を確保する

2026年時点の経営・管理では、事業所の確保が極めて重要です。
法務省の改正ガイドラインでは、自宅兼事務所は原則認められないとされています。 [2]

(4)定款を作成する

  • 株式会社:公証役場で定款認証が必要
  • 合同会社:定款認証不要

(5)資本金を払い込む

出資金を払い込み、払込証明書類を準備します。

(6)法務局で設立登記をする

登記申請は、本店所在地を管轄する法務局へ行います。 [5][6]

(7)設立後の各種手続きを行う

会社設立後は、次の手続が必要になることがあります。

  • 税務署への法人設立届出書等の提出
  • 青色申告承認申請
  • 源泉所得税関係届出
  • 消費税関係届出
  • 年金事務所での健康保険・厚生年金の新規適用届
  • 労働基準監督署・ハローワークでの労働保険・雇用保険手続
  • 許認可取得
  • 法人口座開設
  • 事務所賃貸借契約の本契約
  • 各種契約・業務開始準備

法人設立届は原則として設立の日(設立登記の日)以後2か月以内
健康保険・厚生年金の新規適用届は事実発生から5日以内
労働保険関係成立届は原則成立日の翌日から10日以内です。 [9][10][11]


3. 経営・管理(4か月)ビザ取得の要件

3-1. 経営・管理(4か月)ビザとは

「経営・管理(4か月)ビザ」とは、在留資格「経営・管理」のうち在留期間が4か月のものです。 [1]
海外在住者が来日後に会社設立準備を自ら進めるための実務上の選択肢として用いられます。

3-2. 2026年時点の重要ポイント

2025年10月16日施行の改正により、新規の「経営・管理」では、原則として次の基準が重視されます。 [2]

  • 1人以上の常勤職員の雇用
  • 3,000万円以上の資本金等
    (法人の場合は資本金・出資総額、個人事業の場合は事業に投下された財産総額)
  • 申請者または常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力を有すること
    (目安:JLPT N2以上など)
  • 申請者に経歴要件があること
    例:関連分野の修士等、または経営・管理経験3年以上
  • 経営の専門家による評価を受けた事業計画書
  • 事務所の確保
  • 必要な許認可の取得見込みまたは取得状況
  • 更新時には税・社会保険・労働保険等の履行状況も確認

したがって、2026年現在の4か月ビザは、以前のように「とりあえず入国してから準備する」だけでは難しく、入国前から相当具体的に事業計画・資金計画・雇用計画・事務所確保を固めておく必要があります。

3-3. 主な必要書類

法務省の経営・管理の提出書類一覧では、主に次のような資料が求められます。 [1]

  • 申請書
  • 写真
  • 返信用封筒
  • 役員報酬や地位を示す資料
  • 専門家評価を受けた事業計画書
  • 登記事項証明書
    ※会社設立前なら、定款その他、事業開始予定を示す書類
  • 直近の決算文書等(新設時は代替資料)
  • 許認可関係資料
  • 事務所用施設の資料(賃貸借契約書等)
  • 事業規模を示す資料
  • 日本語能力資料
  • 経歴資料

3-4. 取得後の流れ

4か月の在留期間中に、通常は次の流れで準備を進めます。

  1. 来日
  2. 住民登録
  3. 事務所・各種契約の整備
  4. 会社設立登記
  5. 許認可取得
  6. 必要に応じて雇用・保険手続
  7. 在留期間満了前に更新申請

4か月ビザは短いため、満了前に在留期間更新許可申請が必要です。 [1]


4. スタートアップビザ取得の要件

4-1. スタートアップビザとは

スタートアップビザは、正式には**外国人起業活動促進事業に基づく在留資格「特定活動」**です。
認定された自治体・民間事業者の支援を受けながら、日本で起業準備活動を行う制度です。 [3][4]

4-2. 2026年時点の最新ポイント

2026年時点では、スタートアップビザは最長2年間の起業準備活動が可能です。
古い案内にある「6か月有効」という説明は、現在の制度説明としては不正確です。 [3][4]

また、認定団体は拡大しており、2026年4月時点で例として次のような団体があります。 [4]

  • 東京都
  • 神奈川県
  • 福岡市
  • 横浜市
  • 大阪市
  • 愛知県
  • 京都府
  • 北海道
  • 仙台市
  • 兵庫県
  • 渋谷区
  • 熊本市
  • 沖縄県
  • 成田市
  • 北九州市
    など

4-3. 取得の流れ

  1. 認定自治体・認定民間事業者に相談
  2. 起業準備活動計画を提出
  3. 認定団体による審査
  4. 適当と認められると起業準備活動計画確認証明書が交付
  5. この確認証明書を添えて入管へ申請
  6. 在留資格「特定活動」が許可される
  7. 日本で起業準備活動を開始
  8. 要件を満たした段階で「経営・管理」へ変更

4-4. 主な必要書類

法務省の案内では、主に次の書類が必要です。 [3]

  • 申請書
  • 写真
  • パスポート・在留カード(変更申請時)
  • 起業準備活動計画確認証明書
  • 確認を受けた起業準備活動計画
  • 計画添付資料
  • 次のいずれかを示す資料
    • 大学卒業等
    • 日本の専門課程修了(専門士・高度専門士)
    • 関連分野での3年以上の実務経験
    • 外国での関連事業の経営・管理経験1年以上
  • その他参考資料

4-5. 経営・管理への変更時の注意

スタートアップビザは起業準備のための資格であり、最終的に事業を本格的に経営する段階では、通常「経営・管理」への変更が必要です。
そして2026年時点では、その変更審査でも改正後の厳格な経営・管理基準が問題になります。 [2][3]


5. 経営・管理(4か月)ビザ・スタートアップビザ申請サポート内容

当事務所では、外国人の日本法人設立および在留資格取得について、次のようなサポートを行っています。

① 電話・メールでのお問い合わせ

現在の在留状況、海外在住か日本在住か、事業内容、資本金、事務所予定地、共同経営者の有無などを確認し、適切な進め方をご案内します。

② 個別コンサルティング

お客様の状況に合わせて、

  • 経営・管理(4か月)を使うべきか
  • スタートアップビザを使うべきか
  • すでに持っている在留資格で先に会社設立すべきか
  • 株式会社と合同会社のどちらが適切か

を具体的に検討します。

③ 申請書類の作成サポート

  • 事業計画書作成支援
  • 必要書類の整理
  • 定款案・登記用資料の確認
  • 翻訳書類の整理
  • 入管提出用説明資料の作成支援

2026年の経営・管理では、事業計画の具体性・資金の裏付け・事務所実体・事業規模の説明が特に重要です。

④ 入国管理局への申請代行

提携行政書士が、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請を代行します。

⑤ 許可取得後の交付・受領支援

許可後の在留資格認定証明書、在留カード等の受領手続についてご案内し、必要に応じて追加照会への対応もサポートします。

⑥ 会社設立実務のサポート

必要に応じて、

  • 会社設立登記
  • 印鑑作成
  • 発起人代理
  • 事務所紹介
  • 賃貸借契約書作成
  • 法人口座開設サポート

まで一括して対応可能です。


6. 経営・管理(4か月)ビザ・スタートアップビザ申請サポート料金

※以下はサポート料金の掲載例です。
すべて税込表示です。
※申請内容、国籍、書類量、翻訳、許認可の有無、緊急対応の有無等により追加料金が発生する場合があります。
※初回相談は無料です。

在留資格関係

  • 在留資格認定証明書交付申請:220,000円
  • 在留資格変更許可申請:220,000円
  • 在留資格更新許可申請:77,000円

会社設立関係

  • 株式会社設立料金:299,200円
    (登録免許税・定款認証・収入印紙・手数料の合計を含む掲載例)
  • 合同会社設立料金:143,000円
    (登録免許税・定款認証・収入印紙・手数料の合計を含む掲載例)
  • 印鑑作成:16,500円~
  • 賃貸借契約書作成:33,000円
  • 事務所の紹介:1か月分の家賃相当
  • 発起人代理:110,000円
  • 法人口座の開設代行:55,000円~

ご案内

  • 上記は基本料金です。
  • 実費・翻訳費・証明書取得費・郵送費・許認可申請費・公的手数料等は別途となる場合があります。
  • お問い合わせ・初回相談は無料です。

7. 別途かかる主な公的費用(2026年時点)

サポート料金とは別に、次のような公的費用が発生します。

入管手数料

  • 在留資格認定証明書交付申請:手数料なし [12]
  • 在留資格変更許可申請:6,000円(窓口)/5,500円(オンライン) [13]
  • 在留期間更新許可申請:6,000円(窓口)/5,500円(オンライン) [14]

会社設立の法定費用

株式会社

  • 登録免許税:資本金の0.7%、最低15万円 [5]
  • 定款認証手数料:1.5万円~5万円(資本金等により変動) [7]
  • 定款印紙税:紙定款4万円
    ※電子定款なら不要 [7][8]

合同会社

  • 登録免許税:資本金の0.7%、最低6万円 [6]
  • 定款認証:不要 [6]
  • 定款印紙税:紙定款なら原則4万円、電子定款なら不要 [8]

8. 2026年時点での実務上の注意点

  1. 「経営・管理は500万円でよい」という案内は、2026年の新規申請にはそのまま使えません。
    現在は新規基準が見直されています。 [2]
  2. 「スタートアップビザは6か月」という表現も古いです。
    現在は最長2年間の起業準備活動が可能です。 [3][4]
  3. 自宅兼事務所は原則不利です。
    事業所の独立性・実体が重視されます。 [2]
  4. 事業計画書の質が非常に重要です。
    特に経営・管理では、専門家評価付きの事業計画が求められます。 [1][2]
  5. 会社設立だけで終わりではありません。
    税務、社会保険、労働保険、許認可まで含めて準備する必要があります。 [9][10][11]

参考資料・出典

[1] 法務省 出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html

[2] 法務省「『経営・管理』の許可基準の改正等について(令和7年10月16日施行)」
https://www.moj.go.jp/isa/content/001448070.pdf

[3] 法務省 出入国在留管理庁「外国人起業家(外国人起業活動促進事業)」
https://www.moj.go.jp/isa/03_00097.html

[4] 経済産業省「外国人起業活動促進事業(スタートアップビザ)」
https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/startupvisa/index.html

[5] 法務局「株式会社設立登記申請書」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001331002.pdf

[6] 法務局「合同会社設立登記申請書」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001252890.pdf

[7] 日本公証人連合会「手数料」
https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow12

[8] 国税庁「印紙税の手引」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/inshi/tebiki/01.htm

[9] 国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5100.htm

[10] 日本年金機構「新規適用の手続き」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150311.html

[11] 厚生労働省「労働保険の成立手続」
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/daijin/hoken/980916_2.htm

[12] 法務省「在留資格認定証明書交付申請」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-1.html

[13] 法務省「在留資格変更許可申請」手数料改定案内
https://www.moj.go.jp/isa/content/001431802.pdf

[14] 法務省「在留期間更新許可申請」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-3.html